みなさん、おはこんにちは。
先日、日本のあまりにも低いジェンダーギャップ問題を取り上げた。
それに加えて、日本ではなかなか同性婚が成立しない。
昨年だったろうか、とてもおかしな行方になった末、もう諦めと妥協で成立した、
いわゆる「LGBT法」。
わたしは普段からPodcastを愛聴しているのだが、
『シノブとナルミの毒舌アメリカンライフ』 という番組でだいぶ前のエピソードで
うるおぼえであるが、こんなことをお話されていた。
「アメリカでは、日々目まぐるしく制度や法律が変わるため慌ただしい。
反対に日本では、法改正などにとても時間を要するため、アメリカと比べ
平穏であることが、逆にうらやましいと」
※下記リンクは本内容とは異なる。
日本にいると、もちろんそういう感覚はないが、わたしは日本はあまりにも
変化に乏しい国と思っていたが、逆にそれが日本の強みであるということに
気付かされた。
ま~そうは言っても、LGBT法をはじめ、長時間労働その他もろもろ、
法律が成立したからと言って、あまり実感が湧かないのはわたしだけだろうか。。
そんな、日本と同じく敗戦国であるドイツでは、第二次世界大戦後
当事者にとって、非常に屈辱的な法律が制定されていた。
刑法175条 男性同性愛を禁ずる
現在では、同性婚が認められている国で、当時はこのような法律が制定され、
撤廃されるまでのおよそ120年間の間に14万人もの人々が処罰された
というから衝撃的だ。
しかも、この刑法175条は男性のみを対象としており、女性同性愛は
その存在さえ否定されていたことから違法と明記されていなかったというから
当時のひとたちのことを思うと、憤りを感じる。
そんなことを考えていると、まだ日本は同性婚という制度は認められては
いないものの、禁止されていないだけまだやさしい国とさえ思えてくる。
そんな、男性同性愛禁止を題材にした 『 大いなる自由 』 という作品を
いつもの小さな映画館に鑑賞しに訪れた。
まさにこの作品をひとことで表すとしたら、このタイトルそのものだろう。
大いなる自由を求めて、日々自分の欲求に対する苦しみ、もがくようすを
聴衆側に強く訴えているような気さえしてくる。
そういうようすを目にすると、人間の欲は法律では裁ききれない限界があるのでは
ないかと感じた。無論、現在の様々な人間の欲望が限界突破してしまったが故に、
犯罪に手を染めてしまった犯罪者を擁護するつもりはない、ということを
付け加えておく。
この作品の大部分は、刑務所のなかでのできごとを描いている。
同性愛をしてしまったがゆえに、主人公のハンスは収監されることになったのだが、
所内での同性同士の行為で、真っ暗闇の独房送りに幾度となくされてしまうのだ。
ハンスのその行為は、自身の抑えられない欲求の現れと同時に、
同性愛を禁ずるという歪んだ社会への訴えだったのかもしれない。
彼は、所内で出会った1人の男性をきっかけにその彼を忘れられない日はないくらい、
常にハンスの頭のなかにはその彼が存在していたことだろう。
物語の後半、あることをきっかけに、この理不尽な175条が撤廃されたという
ニュースを知る。そのときに、ハンスをはじめ175条で捕らえられていた人々は
どんな気持ちだったのだろうと、ふと思った。
これまで、禁止されていたものが、突然今日から禁止ではなくなったと
知らされたとき、街中のようすを想像するとちょっと恐ろしい。
久しぶりに、心のどこかにちょっとしたシミが残るような作品を観た。
わたしが普段から観る作品は、この『大いなる自由』を含めて、上映される劇場が
限られているが、ぜひ多くの人に観てほしい作品だ。
この作品を通して、同性婚や性的マイノリティーの人々について、
考えるきっかけになってくれると、大変うれしい限りである。
それではまた。
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